ベイマックス、大丈夫だよ|同じ言葉が感動に変わる|ベイマックス|映画|評価|感想

2014年12月23日火曜日

ディズニーアニメーション映画ベイマックス

主人公ヒロの健康(心と体の)をケアするケアロボット、ベイマックスとの触れ合いと成長の物語

ベイマックスってどんなロボット?

ベイマックスは戦闘や労働のためのロボットではなく、体や心に何かしらの傷を負った人間を治療するために作られたロボットです。そのためかよくある金属製のロボットではなく、空気で膨らまされた抱き心地の良い仕様となっています。丸くてとろそうで愛らしい見た目で、SFに登場する無機的ないかにもロボットデザインとは離れたデザインで、足が短くて動作も遅く、興味が散りがちで好奇心を示し、ロボットとしては優秀には見えない。けれどとても愛着を持てます。

ロボットものといれば

アイザック・アシモフのSF小説『われはロボット』にを思い出す。作中に登場する様々なロボットたち。フィリップ・K・ディック原作の『ブレードランナー』のレプリカントという人造人間。どちらもロボットを通し人間を描いています。人間よりもロボットの方が人間らしいんです。

過ちを犯すのは人間

ベイマックスにおいても、主人公ヒロは感情を制御できなくなり乱暴な行動に走ろうとします。ベイマックスは命令を受けたとき、「人間を傷つけてはいけない」と諭します。これはそうプログラムされていただけで、ベイマックスは忠実に学んだことを守るだけ。けれど、人間は当たり前に思ってきたことを忘れてしまう。時として感情に振り回されて自ら間違っているとわかっていてもそうしてしまう。

同じ言葉から受けるものが変わる

ベイマックスは変わりません。ただただ健気に忠実に命を守ります。同じ事を言って、同じ事をやっている。けれど、映画の冒頭でヒロはベイマックスの言葉を真剣に受け止めていない。いくつもの困難や葛藤を克服していくうちに、ヒロは変わっていきます。最後にはベイマックスが繰り返している言葉が、ヒロにも観客にも別の意味を持って聞こえてきます。

繰り返されるベイマックスの言葉の中で、

「ベイマックス、もう大丈夫だよ」

が、最初と最後でまるっきり感じ方が違い。感動を覚える作品でした。

☆☆☆☆★

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